北海道の雪で壊れないカーポートの選び方・注意点は?
北海道におけるカーポートの役割
北海道においてカーポートの役割や選び方は他の地域とは異なり、雪から車を守るための大切なもの。
しかし、選択肢としてはカーポートだけではなく、ガレージや青空駐車場があり、それぞれ特徴が異なります。
カーポートは駐車スペースに柱と屋根を設置した簡易的な駐車場のこと。ガレージは自動車などを収納する建物で、カーポートとは違い壁があります。青空駐車場は、車両を覆う構造物がなく地面にそのまま駐車するスペースのことです。
ここでは、カーポートの特徴を見ていきましょう。
カーポートに使用する素材
カーポートの支柱に使用する素材には、「アルミ製」「鉄製」「木製」があり、屋根材には「ポリカーボネート製」や「熱線遮断ポリカーボネート製」などがあります。
アルミ製の支柱
軽量かつ丈夫な素材で耐久性が高く、さびる心配がないため長年使えます。また、地震や強風などによる揺れにも強く、重さが原因で壊れる心配もありません。アルミ素材を選ぶ場合は、カーポートに適した強度を選びましょう。一般的なカーポートの強度は耐風圧38m/秒と考えられていますので、目安にしてみてください。
鉄製の支柱
鉄製のメリットには、剛性、耐久性の高さが挙げられます。大きいカーポートであっても、柱4本で支えることが可能です。柱の数が多いとドアと柱がぶつかりやすい点が心配ですが、その点、鉄製であれば柱を減らせるため乗降もしやすいでしょう。ただ、さびる素材なので定期的に塗り替えなどのメンテナンスが必要となります。
木製の支柱
木製は金属に比べ強度が劣るためカーポートの柱として最適とはいえず、既製品の木製カーポートは少ない傾向にあります。カーポートは雨風に晒されるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。
ポリカーボネート製の屋根
ポリカーボネートはアクリル製に比べ弾力性があり、熱に強く、強度もあって劣化しにくい点が特徴です。加工がしやすく、カラーや形の種類が豊富にあります。
熱線遮断ポリカーボネート製の屋根
ポリカーボネートに熱線遮断加工を施したのが熱線遮断ポリカーボネート。この加工によって屋根の下の温度上昇が抑えられるため、車内温度も上がりにくくなります。
塩化ビニル製の屋根
塩化ビニルは、柔らかく加工がしやすい上に割れにくいという特徴があります。手軽で安価に設置できますが、時間経過による劣化が起こりやすく割れてしまう場合があるため、最近はあまり使われなくなっている素材です。
アクリル製の屋根
アクリル製の板は加工性に優れており、以前はカーポートの屋根材としてよく使用されていましたが、劣化が激しい・耐久性に問題があるといったデメリットがあるため、現在はあまり使われなくなっています。
道内向けのカーポートの屋根には、コスト的に有利な「折半屋根」という工法が使用される傾向にあります。折半屋根は金属の板を折り曲げて加工する工法です。
雪への強さ
カーポートの雪への強さを計る基準のひとつとして「積雪荷重」があります。積雪荷重は屋根に積もる雪の高さ(cm)を指し、50cm・100㎝・150㎝・200㎝のように高さで判断します。積雪荷重が50cmの場合は50cm積もる前に雪下ろしが必要。北海道は雪が多いため、150cm以上のものを選ぶといいでしょう。
カーポートの耐積雪強度は「新雪」が基準となっていますが、同じ積雪量でも時間が経つにつれ水分を含んだり圧縮されたりして新雪の3倍以上の重量になる場合があるため、早めの雪下ろしが鉄則。適切なタイミングで雪下ろしをしないとカーポートが倒壊し、車を傷つけてしまう可能性がありますので注意しましょう。
カーポートは4本柱か6本柱で建てられます。柱の数が多いほど強度が高く頑丈。ただし、6本柱になると車の駐車位置によってはドアが当たりやすくなるため、注意が必要です。
カーポートに補助柱を付ければ大雪だけでなく台風対策にもなるため、大雪時のカーポート倒壊が心配な方は補助柱の設置を検討してみてもよいでしょう。
雪が降る北海道では、サイドパネルを付けるといった吹雪への対策も必要になります。カーポートの雪対策に融雪剤の使用を考える方もいますが、カーポートや車がさびるためおすすめできません。
万が一、積雪などの影響でカーポートが倒壊してしまった場合、風災や雪災補償がある火災保険なら補償対象となり、カーポートを直すことが可能です。火災保険の契約や設置年数により異なるため、契約内容を確認してみるとよいでしょう。
デザインや使い勝手
カーポートの屋根に折半屋根を採用すると屋根に厚みが出てしまうため、デザイン性を高めるために破風(※)を採用したり、見上げた屋根裏に化粧パネルを付けたりといった工夫をしているメーカーもあるようです。無骨感を和らげるため、破風には木目調や丸柱を利用するケースもあります。
※はふ/屋根の妻側(横から見た三角の部分)に付けた山形の板。
また、カーポートの強度を上げようと柱を多くするとドアを開けるときにぶつかるリスクが高くなるため、本数を多くする場合は間口を広く取って使い勝手を良くする必要があります。
例えば1台用のカーポートで6本柱の場合、間口は3.0m以上の製品が多くなっています。柱4本であればドアがぶつかる心配がないため、間口は2.7mでも問題ありません。2台用のカーポートを設置する場合、駐車スペース+玄関までのアプローチとして60~70cm間口を取れば通路スペースの確保が可能です。
メンテナンスの頻度
カーポートは風雪に晒されるため、塗装部のメンテナンスが必要です。メンテナンスの頻度は素材により異なり、金属製の場合10年に1度、木製の場合は3年に1度メンテナンスが必要となっています。
メンテナンスの際は、さびや劣化を防ぐための塗装以外にもネジが緩んでいないか・雨どいにゴミが詰まっていないかのチェックが必要。カーポートの耐用年数は素材ごとに大体決まっていますが、定期的なメンテナンスにより耐用年数以上の使用が可能となります。
カーポートの設置にかかる費用
北海道でカーポートの設置を考えるなら、最低でも積雪荷重150cm以上が必要です。
積雪荷重150cm以上のカーポートの費用相場は、工事費込みで1台分40~60万円程度。2台分であれば60~80万円程度となっています。選ぶ素材や商品によって費用は変動し、昨今では資材価格の上昇によって値上がり傾向にあるため、予算内に収まるかどうかは施工業者に確認するようにしましょう。
「工事費込み格安施工」といった製品もありますが、積雪荷重20cmなど北海道には合わない製品の可能性があるため要注意です。
カーポートを設置するタイミングとは?
カーポートを設置するなら、新築のタイミングがおすすめです。住宅と一緒に建てられるため一度の打ち合わせで済みます。エクステリアや外構に合わせたデザイン、位置なども検討できるでしょう。
ただし、新築時にカーポートを設置すると販売会社と工事会社の間にマージンが発生してしまい、費用が高くなります。カーポート設置は直接外構業者に依頼した方が安くなるでしょう。
その場合、別々に依頼することで住宅とカーポートのテイストが合わなくなってしまう、家と一緒にカーポートのプランニングができないため適度な広さを確保しづらいといったリスクがありますので、ご注意を。
増設の場合は、北海道の雪解け時期である4月~10月がベストです。時期が遅くなるほど業者が混み合うため、早めに申し込みましょう。
カーポートを設置するメリット
カーポート設置のメリットは次の通りです。
– 雪や雨、雹(ひょう)から車を守れる
– 鳥の糞や落下物を避けられる
– 雨の日の乗り降りが楽にできる
– ガレージより安価で簡単に設置できる
– 直射日光を避けられ車内温度が暑くなりすぎない
– 紫外線から守ってくれる
北海道でカーポートを設置する場合、雨や太陽光以上に雪から車を守ってくれる点が大きなメリットになるでしょう。また、カーポートがなければ車に紫外線が直接当たるため、ボディの色あせに繋がります。紫外線の与える影響は、ヘッドライトやタイヤ、内装シートなどボディに限りません。
カーポートを設置するデメリット
カーポートのデメリットは次の通りです。
– 家のデザイン性を損なう
– 圧迫感が感じられる
– カーポートの掃除が必要
– 台風には対応できない
– 家と外構のイメージが異なる場合がある
– 車の買い替えによりサイズが合わない可能性がある
– 玄関前が暗くなる
– 防犯性が低い
カーポートがあると車の乗り降りが楽になりますが、台風などの横からくる障害には対応できないため、場合によっては吹き飛ばされてしまう可能性も。また、カーポートの上に登って住宅内に侵入されてしまう可能性があるため、防犯性は下がるといえます。
カーポート&ガレージ、 北海道の施工事例
札幌市で注文住宅の施工棟数NO.1※の「豊栄建設」が手掛けた、北海道のカーポートとガレージの施工事例を紹介します。
シックでおしゃれな色調で統一されたカーポート
こちらはリフォームの事例です。家の外壁を明るいベージュカラーから洋風でシックな黒に変更し、その外観に合わせて敷地内に黒いカーポートを設置。統一感のあるシックでおしゃれなカーポートに仕上げています。
収納力たっぷり!趣味も楽しめるガレージ
仕事柄、道具が多いご主人のために、22㎡以上(約6.6坪)のガレージを施工。仕事道具以外にもタイヤや除雪道具が収納できるだけでなく、ガレージ内でDIYやバーベキューも可能な空間を実現しました。
カーポートやガレージの実例を見て・体感してみたい方は、札幌市・江別市・石狩市・千歳市・恵庭市・苫小牧市にある豊栄建設のモデルハウスまで、ぜひ見学にお越しください。
※豊栄建設株式会社とグループ企業であるロゴスホームの戸建住宅の実績(2021年1月~12月)/住宅データバンク調べ