【後悔しないために】解決法あり!旗竿地のメリットとデメリット
路地のような土地(竿部分)を抜けた先に大きな敷地(旗部分)がある「旗竿地(はたざおち)」。周辺を住宅に囲まれているため、日当たりが悪そう…といったイメージから敬遠されがちな土地のひとつです。しかし、本当にそうでしょうか。
今回は、旗竿地のメリットとデメリットのほか、実際に旗竿地にお住いになって7年になるS様ご夫妻にうかがった、懸念点を解決する工夫などをご紹介します。
解決法あり!旗竿地のメリットとデメリット
■旗竿地のメリット
- 好立地でありながらお得な価格
- 公道から離れているので静か&プライベートを確保できる
- 路地のような土地をお子様の遊び場やゲストの駐車場として活用できる
旗竿地の価格は、最寄り駅まで徒歩圏といった好立地であっても、一般的に相場の70%ほどと言われ、建物さえ何とかなるなら旗竿地で決めたいというケースが多くあります。S様ご夫妻も、地下鉄駅まで徒歩圏、治安の良さ、評判の良い小中学校がある学区といったことが決め手となり、旗竿地に家を建てることを決断されました。
さらに、以下のようなメリットも感じているそう。
「玄関から子どもが飛び出しても敷地内(路地)なので事故に遭うといった心配がありません。広さもあるので縄跳びをしたり、自転車の練習もできます。さながら、プライベートな公園のようなものです。ほかにも、お客さんがいらっしゃったときは、路地を駐車スペースとして使っています。私たちの車のほか、3台ほどは停められるので便利です」
■旗竿地のデメリット
- 日当たりが悪い
- 積雪地の場合、路地の除排雪が困難
- 間口が狭い
<日当たりはこうして解決しました>
旗竿地のデメリットとして、もっとも懸念されるのは「日当たり」です。S様ご夫妻も一番気にされた点でした。そこで、この問題を解決するために、基礎を通常より50㎝高くし、奥様やお子様が日中過ごすことが多いリビングを2階に設けることにしました。
「寝室をどれくらいの時間使うのか、改めて考えました。子どもが大きくなって、自室で過ごすようになったとしても、日が燦々と当たる時間帯は、子どもは学校にいます。帰宅して部屋に入る時間は、結局、電気を付けて過ごすので、寝室の日当たりはそんなに気にしなくていいという結論になりました。そこでリビングを2階にしたのです。リビングは、太陽の位置が低くても日が入るので、開けた南向きと変わらない明るさ。風通しも良く、1、2階とも湿気やカビに悩まされたこともありません」
リビングを2階に設けても暮らしやすい家にするため、ユーティリティ、浴室といった水廻りすべてを2階に集めて家事動線をコンパクトにしました。ほかにも、トイレを2階と1階に付けるといった工夫も。水回りを2階にあげるのはオプション費用がかかります、トイレを2ヶ所作るのもオプションになりますが…土地代を節約できたため、可能になったそうです。
「ただ一つ、注意するなら、大型の家具や家電を搬入するとき。サイズをしっかり確認すること、万が一、入らない場合を考えて、2階の窓から搬入できるようにするといった事前対策が必要です」
<除排雪の問題はこうして解決しました>
北海道のような降雪地帯で旗竿地を購入する際、考えなければならないのは、路地の雪かきです。特に、雪をどこに捨てるかが課題となります。
S様ご夫妻の場合、幸運にも路地から出た正面に大きな公園がありました。除雪機を購入し、路地を真っ直ぐ除雪しながら進み、公園に排雪することで解決。もちろん、この公園は近隣住民の雪捨て場になっているため、何の問題もありません。また、旗部分の敷地が十分にあったため、カーポートを建てて除雪負担を軽減するといった工夫もしました。
しかし、もしも排雪できる公園がなかったらどうしていたでしょうか。
「融雪槽かロードヒーティングを入れたと思います」と奥様。
実は、奥様は、ランニングコストの面で融雪槽やロードヒーティングの導入には反対です。その思いを覆すほど、購入された旗竿地は理想的だったということです。
「旗竿地以外にも建てやすい正方形の土地も見ましたが、価格面・立地面ともに魅力的だったのは旗竿地でした。学区や利便性、暮らしやすさなど、住みたい場所の条件となるものが満たされていれば、土地の形は関係ありません」
<間口の問題はこうして解決しました>
S様ご夫妻がお住まいの旗竿地は、間口が3mほどあるため、建設中に使う重機や引っ越しトラックも余裕で入ることができます。加えて、ご夫妻とも車庫入れは得意とのことで、車の出し入れについては特に心配はなかったそうです。
ただ、間口が2mほどの旗竿地もあり、この場合、重機や引っ越しトラックが入らないことがあります。作業の手間が増え、その分、時間と予算がかかるので、旗竿地を選ぶ際は、間口が3m以上の土地を選ぶことをおすすめします。
また、土地が大きすぎる、公道から離れすぎている場合、電線を引くための中継地点として、路地に電柱を建てる必要があります。電線は、他者の土地の上を跨いで引けないためです。電柱を建てることによって路地の幅がやや狭くなるので、この点についても注意しながら土地選びをするといいでしょう。
家づくりは決断の連続です。
「予算・土地・住宅性能・間取り・内装・外装…」理想のマイホームを
建てるために決めなければいけないことは山ほどあります。
色々な情報を調べたり、話しを聞いていくなかで
最終的にどうしたらいいのか分からなくなってしまった…と路頭に
迷ってしまう方も少なくありません。
「北海道の家づくりでは、どんなポイントに気をつければいいの?」
「地価上昇率全国トップ10の北海道。土地がなかなか決まらない…」
「家づくりの理想はあるけど、限られた予算で建てられるか不安」
イメージに惑わされず、まずは見ること
旗竿地に家を建てると決めたとき、S様ご夫妻は半年以上かけて、何度も土地の下見を繰り返したと言います。排雪場所や周辺環境の治安、なかでも季節や時間帯による日の入り方は入念に確認されたとのこと。そして、実際に自らの目で確認するたびに、一般的に言われているようなネガティブなイメージは払拭されていったそうです。
「旗竿地はまったく日が入らないというイメージでしたが、実際に見てみたら、そうでもないんです。現に、北側のデッドスペースにも日が当たっていて、家庭菜園でピーマンやシシトウを栽培しているくらいです。室内にしてもそう。発想を転換し、工夫をすればまったく苦にならないです。むしろ、南向きの正方形の土地に建てた家よりも日当たりがいいかもしれません。1階のリビング前にカーポートを建てて、せっかくのリビングが日陰になっているお宅を見かけたこともありますから」
巷で言われているイメージだけで敬遠するのではなく、まずはご自身の目で確認すること。もしかすると、建てやすいどんな土地よりも暮らしやすく、理想を叶える土地かもしれません。それを思い込みだけで手に入れるチャンスを逃してしまうかもしれないのです。S様ご夫妻のお話を聞いて、そのことを痛感しました。
豊栄建設では、土地の形やお客様の暮らし方に応じた自由設計で、理想の住まいの実現をお手伝いします。変形地での家づくりやお悩みなど、お気軽にご相談ください。