海外の寒冷地ではセントラルヒーティングが当たり前?
海外の寒冷地ではセントラルヒーティングが主流
日本ではあまり馴染みがないセントラルヒーティングですが、海外の寒冷地では一般的な暖房器具です。
セントラルヒーティングが海外で普及している理由として、欧米では冬季の室温が16℃を下回ると法律により改修命令がでるという点が挙げられます。
さらに厚さ30cmの断熱材が義務づけられており、温度差による健康被害(ヒートショックなど)のリスクを軽減する狙いもあるのでしょう。
イギリスも同様に室温の最低基準は18℃と定められています。また、都市ガスの普及もセントラルヒーティングの普及率が高まった理由の一つです。同じくアメリカも、州法により最低室温が決められています。
セントラルヒーティングは暮らしを快適にするのはもちろんのこと、見た目がすっきりしているためインテリアの邪魔をしません。 人が快適に過ごせるだけでなく、建物自体が温まることで建物の劣化を防ぐというメリットもあります。
日本ではなぜセントラルヒーティングが普及しない?
日本では北海道をはじめとした寒冷地以外ではセントラルヒーティングが普及しておらず、本州や温暖地ではあまり馴染みがないかもしれません。
セントラルヒーティングが普及しない理由の1つとして、日本の高温多湿の気候が挙げられます。
日本の建物は高温多湿の夏を快適に過ごせるよう、風通しのよさが重要視されてきました。冬場は部屋ごとに暖めるエアコンやファンヒーター・電気ストーブなどが多く使われ、人がいる所のみを暖めるという考え方が一般的です。
風通しを重視した住宅は隙間風が入るなど空気が循環しやすく、気密性が高いとはいえません。そのため暖めた空気が逃げやすく、セントラルヒーティングのように全館空調で家をまるごと暖めることを非効率だと感じてしまう人が絶えないことが普及しない要因と考えられます。
北海道でセントラルヒーティングが普及しているのはなぜ?
普及が進んでいる北海道では、新築戸建住宅の7〜8割にセントラルヒーティングが採用されています。
普及の理由として考えられるのが、北海道の家づくりでは寒さ対策に重点が置かれている点。冷えた空気が家の中に入り込まないように気密性が高く、断熱材も豊富に使われてきた北海道の住宅ですが、セントラルヒーティングは高気密・高断熱と相性がよく、導入に魅力を感じる人が多かったため普及が進んだと考えられています。
しかし、住宅全体を温める暖房システムであるセントラルヒーティングのランニングコストは誰しも気になるもの。暖房費を節約する方法を押さえておきましょう。
暖房を切ると再度家を温めるまでに時間がかかってしまうため、セントラルヒーティングはつけっぱなしにする方が節約につながります。外出の際には設定温度を低くしつつもつけっぱなしにしておくとよいでしょう。
もちろん、電気料金プランの見直しなども節約につながりますので、定期的に新プランが無いかどうかチェックしておきましょう。