セントラルヒーティングはどんな仕組みで暖まるの?

セントラルヒーティングの基本的な仕組み

セントラルヒーティングには、温水式と温風式2つのタイプがあります。

温水式は温められた水、温風式は暖められた空気を建物に循環させ、設置されているパネルヒーターなどの暖房端末から熱を放射することで建物内を暖める仕組みです。

北海道などの寒冷地で建てられる新築一戸建ての約7割はセントラルヒーティングが設置されています。

セントラルヒーティングは家中に設置されているパネルヒーターを通じて熱を放出するため、ストーブやエアコンのように風を出さず、自然対流を利用して室内を暖めます。

自然対流とは、暖められた空気は上昇し冷たい空気は下降するという空気の性質によって生まれる対流のこと。

これを利用して空気の流れを作るためどこにいても快適な温度になるうえ、送風がないためホコリも舞わず、アレルギー体質の方でも安心して利用できる暖房方式です。

温水式

温水式セントラルヒーティングは、ボイラーでお湯を沸かして建物内部に循環させる方式。

温水式は温風式に比べて熱損失が少ないため、一戸建てから大型の施設まで、一般的に普及しているセントラルヒーティングの多くは温水式が採用されています。

温風式

温風式セントラルヒーティングはボイラーによって暖められた空気が循環パイプを通ることで建物内を暖める方式。

建物が大きいとボイラーから遠い部屋の設定温度を保てないことから、温風式は現在ほとんどの建物で採用されていません。

熱損失がより小さい温水式セントラルヒーティングを採用する傾向にあります。

セントラルヒーティングの熱源

セントラルヒーティングの熱源にはボイラーが使用され、ガス・灯油が燃料です。設置されるボイラーは、給湯や床暖房などセントラルヒーティング以外にも使用されます。

電気を燃料として使用することもあり、その場合の熱源は電気温水器となっています。

ボイラーまたは電気温水器によって温められた温水は、家中に張り巡らされた循環パイプを通じてパネルヒーターに熱を届け、建物内を温めます。

徐々に冷えていく水は再度ボイラーを通って温められ再び家中を巡るため、水道代が高くなることはありません。

また、セントラルヒーティングで循環される水は不凍液と呼ばれる氷点下でも凍らない水を使用しているため、稼働を停止しても凍ってしまう心配はありません。

全館暖房とは

暖房方式には局所暖房方式と全館暖房方式があり、セントラルヒーティングは全館暖房方式です。

全館暖房とは、1つの暖房機器で建物全体を暖める暖房方式を指します。

建物内に温度の差ができないため、どこにいても快適に過ごせて、ヒートショックを予防できます。

ヒートショックとは、寒暖差により血圧などの急激な変化が起こり、かゆみや頭痛、高齢であれば心筋梗塞などが起こる症状で、命にかかわることもあります。

一方、局所暖房は部屋ごとに個別の暖房器具で暖める方式。

例えば、こたつ・石油ストーブ・電気ストーブなどが該当し、エアコンも局所暖房に該当します。

局所暖房は部屋の中で温度のムラが発生しやすく、ヒートショックが起こるリスクも高くなります。

2階や窓からの冷気によってコールドドラフト現象(寒い空気が足元に溜まって体感気温が下がる現象)が発生しやすく、暖かいと感じにくい場合も。燃料代が高い点についても要注意です。

局所暖房と全館暖房とでは、全館暖房の方が住んでいる人の活動時間が長くなると言われています。

暖房器具(こたつなど)に長時間居座る必要がないため、有意義な時間を使えるのがその理由でしょう。

セントラルヒーティングの上手な使い方

セントラルヒーティングは温められた温水の熱を利用して室内を暖めていくシステムのため、室内の温度が低いとそれだけ循環している水の熱損失が大きくなり、室内が暖まりにくくなります。

基本的に24時間つけっぱなしにしておくと良いでしょう。

暖かい空間を維持するためには、冷気を室内に入れないこともポイント。

コールドドラフト現象を防止するためにも、パネルヒーターは窓際や玄関に設置しましょう。

日中の設定温度を低く設定し、気温が下がる夜間には設定を上げて稼働させると、消費エネルギーの削減が可能。

エコ機能がついたボイラーを活用すると、更にエネルギーを抑えられます。

寒いと感じたら、エアコンやポータブルストーブなどを併用して調節するのもひとつの方法です。

設置を検討する方は、ハウスメーカーに設置場所や使い方について相談すると良いでしょう。

※参照:日本建築学会環境系論文集(第84巻 第758号,397-405,2019年4月)「北海道全域の住宅を対象としたエアコンによる冷暖房利用実態調査」

セントラルヒーティングのメリット・デメリット

セントラルヒーティングには、どの部屋にいても温度変化がなく快適に過ごせる、ボイラーでのみ燃焼するため各暖房端末で火を使わないといったメリットがあります。

しかし、使用方法によってはランニングコストがかかる・循環パイプ・家の気密性を高めるといった点で初期費用が高くなるデメリットも存在します。

設置を検討している方は、メリット・デメリットを把握しておきましょう。

セントラルヒーティングのメリット

セントラルヒーティングの最大のメリットは、建物全体を暖める全館暖房方式なので家中が均一に暖かく、コールドドラフト現象が起きにくいという点でしょう。

窓や壁に沿ってパネルヒーターが設置されるセントラルヒーティングは暖房器具という主張が少なく、室内のデザインやこだわりを損なわずに設置できるのも嬉しいポイントです。

セントラルヒーティングには定期的なメンテナンスが必要ですが、他の暖房機器に比べて耐久性が高いのもメリットのひとつ。

故障した場合も該当箇所のみの交換で済むため費用を抑えられ、細かな清掃も必要ありません。

他の暖房器具と比べて、安全性が高い点もメリットでしょう。

火が使われるのはボイラーのみで、各所に設置したパネルヒーターはボイラーからの熱を放出する仕組み。

電気ストーブのように衣類が燃えるほどの高熱にはならず、地震などの災害時にも火事のリスクが少ないと言えるでしょう。

もちろん、万が一高温になった場合には緊急停止する設計になっています。

熱を循環させるための送風機がなく室内に風が起こらないため、ホコリやゴミが舞い上がらず、きれいな環境で過ごせるのもメリットです。

セントラルヒーティングのデメリット

セントラルヒーティング設置の初期費用はボイラー・循環パイプ・不凍液などを合わせると100万円前後となり、通常の暖房機器と比べると少々高額。

また、建物自体の気密性や断熱性を高める必要があり、建設コストも高くなります。

建物全体を暖める仕様のため特定の場所のみを暖めることはできず、空室が多い間取りではランニングコストが余分にかかります。

燃料が電気の場合、かかる費用は年間30万円ほどになります。

セントラルヒーティングは基本的に24時間稼働するものですが、稼働を停止してから家を暖めるには循環する液体を温めるところから始まるため、ストーブやエアコンと比べると温もりを感じるまでに時間がかかります。すぐに暖まりたい場合は電気ストーブやエアコンなどの併用が必要となり、暖房費用が上がることも想定されます。

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※豊栄建設株式会社とグループ企業であるロゴスホームの戸建住宅の実績(2021年1月~12月)/住宅データバンク調べ

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