北海道の新築に必要な駐車場の広さはどれくらい?
駐車スペースの広さの決め方
北海道では一般的な車体サイズにあわせて駐車スペースを作ると冬に雪の影響を受けて駐車できない場合があるため、広めに確保しておくのが必須。
まずはご自身の車両サイズを把握して、十分な駐車スペースを理解しましょう。
車両ごとのサイズを確認して幅を確かめる
車両ごとのサイズ(幅・長さ・高さ)は以下のようになっています。
– 軽自動車は(幅1.48m×長さ3.4m×高さ2.0m)
– 小型車(幅1.7m×長さ4.7m×高さ2.0m)
– 中型車(幅1.7m×長さ4.7m×高さ1.5m)
– 大型車(幅1.85m×長さ5.0m×高さ1.5m)
– ワンボックス車(幅1.7m×長さ4.8m×高さ2.0m)
これらのサイズをもとに、ドアを開けることを想定して乗り降りしやすい駐車スペースを決めていきます。
ちなみに、北海道で選ばれている中古車のランキングは以下の通りです。
– ハイエース
– ジムニー
– ヴォクシー
– デリカD:5
– エスティマ
※参照:PROTO総研/カーライフ「中古車見積ランキング【北海道】」(2022年10月)
北海道では軽自動車やセダンよりも大型で雪道に強い車が選ばれていることが分かります。
これらの車種は平均の車体サイズが幅1.7m×長さ5m×高さ1.8m程度の大型車~ワンボックス車なので、駐車スペースは最低でも幅2.5×長さ6.0m×高さ2.0mは必要です。
北海道で中古車を選んだ方々は、車種以外にバッテリーの消耗具合とエンジンの状態を重要視しています。
その理由は、冬の期間が長い北海道では12月から3月の平均気温が0度を下回るため、バッテリーが消耗しているとエンジンがかからない場合があること。
北海道の車選びや駐車場選びは、本州とは異なる視点を必要とすることが分かります。
※参照:PROTO総研/カーライフ「北海道民が車選びで重視するポイント」(2016年4月)
前面道路幅が狭い時は幅を広くとっておく
駐車スペースについては、国土交通省が定めている指針があります。
小型乗用車の場合、幅1.7m×長さ4.7m、普通乗用車の場合幅2.5×長さ6.0mのスペースが必要とされています。
しかし、道路幅が狭く駐車場前方のスペースが少ないと内輪差や旋回半径によって曲がりきれない場合があり、毎日車を出す際に苦労するでしょう。
一般的に5人乗りの乗用車の旋回半径が約5mであるため、十分な開口幅を確保していなければ、車を破損させる可能性に注意が必要です。
そのため、建設予定地の道路幅を考慮し、車が曲がりきれるか事前に確認して開口スペースを確保しましょう。
また、今後車を大きくする予定がある場合も注意が必要です。
来客用やセカンド車両の駐車場を確保する場合
現在は1台だが将来的に2台所有する予定があったり、来客用の駐車スペースを確保したかったりという場合は、駐車スペースに5m以上の幅が必要。
車以外にもバイクや自転車を駐車させるのであれば、その分を配慮した駐車スペースを確保しましょう。自転車であれば、幅0.8m×長さ2mほどあれば駐輪可能です。
バイクの場合は様々なサイズがありますが、バイクのサイズ+横に人が立てる分のスペースが必要になります。
駐車場の種類
駐車場には様々な形状があり、地面の素材も多種多様。
駐車場以外の使い道や建物のデザインに影響を与えるため、それぞれの特徴を把握しておきましょう。
駐車場の形状
駐車場の形状には、オープンタイプ・カーポート・ガレージの3タイプがあります。
オープンタイプ
オープンタイプとはいわゆる青空駐車と言われる駐車場で、駐車に必要な地面の整備をしただけの簡素なスペースを指します。
車が雨や雪を被ってしまうというデメリットはありますが、低予算・出し入れが簡単・見通しがよく使い勝手も良いといったメリットが挙げられます。
カーポート
カーポートは柱と屋根で作られた駐車場のこと。
ガレージよりも安価で雨や雪の影響を受けにくいため夏場は程よい日影を作れるというメリットがあり、カーポート内でバーベキューをしたり子どもをプールで遊ばせたりできます。
しかし、柱を設置する分オープンタイプより広めの敷地が必要なことや、日光を遮ってしまうといったデメリットがあります。
カーポートは柱が片側にしかないタイプや日光の光を通す透明な屋根など、様々な種類があります。立地や家の間取りにあわせて選ぶと良いでしょう。
ガレージ
ガレージは3面が壁に覆われた駐車場のこと。
3面が壁のため、車を雪や風による外傷などから守れます。
シャッター付であれば防犯性にも優れ、車を安全に駐車しておけるでしょう。ガレージには外に設置する車庫タイプと建物内に設置するインナーガレージがあります。
車庫タイプは上物と地面の整備が必要になるため費用が高く、カーポート同様、広めの敷地が必要。
インナーガレージも費用の高さや車のエンジン音が家に届きやすいというデメリットがあります。とはいえ、ガレージタイプは天気の影響を受けず車の手入れができたり物置として併用できたりといったメリットがあります。
家の中ではできないDIYの作業場所として利用する方も多く、使い勝手の良い駐車場と言えるでしょう。
駐車場の素材
駐車場の素材には、砂利・アスファルト・コンクリートがあります。
砂利
砂利は駐車場整備の手間もかからず、高額な砂利を選ばなければ約10万円と安価に工事を終えられますが、雑草が生えてくるため、こまめな手入れが必要です。
北海道のような積雪地域では除雪の際に砂利が引っかかってしまうというデメリットもあります。
アスファルト
アスファルトは整地が済んでいれば半日程度で工事が完了し、水捌けも良いので雑草が生えてくる心配がありません。車2台分程度であれば、アスファルト用の整地・材料費あわせて10万円前後と安価なのもメリット。
ただし、夏場は熱により柔らかくなるため傷やひび割れができやすく、定期的な補修が必要になる場合があります。
コンクリート
コンクリートはアスファルトに比べて強度が高く、数十年間に渡って補修やメンテナンス不要で使えます。
目地の代わりに人工芝を敷くなど自由度も高く、理想の外構を作り出せるのもメリット。デメリットとしては、照り返しが強い・工事を季節や天気によって制限されるといった点が挙げられます。
失敗事例から学ぶ!新築住宅で駐車場を作る時の注意点【北海道編】
駐車場は場合によって外観を崩したり余計な費用がかかるため、住宅の設計段階から広さや素材、形状などを検討する必要があります。
ここからはよくある駐車場の失敗事例を見ていきましょう。
レイアウトは変えにくい
カーポートの場合、柱を立てるためにコンクリートの基礎を設置することから、費用は約50万円~200万円と高額に。
一度設置してしまうと簡単に撤去や建て替えができないため、事前に次の項目を確認しておきましょう。
– 光が入る窓を遮っていないか
– 外の蛇口の位置は邪魔にならないか
– 見通しが悪くなり防犯面に不安はないか
– 建物との距離が近く雪の影響を受けないか
– 駐車の向きは適切か
カーポートには1台用・並列駐車・縦列駐車の3タイプがありますが、縦列駐車のタイプは後ろの車を動かすために前の車を避けなければならないため、駐車に時間がかかります。
駐車スペースの幅を確保できるのであれば、利便性が高い並列駐車タイプのカーポートを選ぶと良いでしょう。
カーポートとガレージは建ぺい率の対象になる
建ぺい率とは建築基準法に記されている「所有する土地にある建築物の割合」のこと。
カーポートとガレージは建築物として見なされるため、建ぺい率に含められます。
建ぺい率の上限は用途地域によって定められているため、例えば上限が60%の地域であれば建物とガレージ・カーポートをあわせた広さを敷地の60%以内に収めなければなりません。
「最初は青空駐車(屋根や柱がない場所への駐車)してみて、必要だったらガレージやカーポートを作ろう」と考えているのでしょう。
ガレージやカーポートを建てた後に建ぺい率がオーバーしないよう、住まいの面積を抑えておくことを忘れないようにしてください。
北海道では車を停める以外のスペースも必要
北海道は冬にはスタッドレスタイヤに履き替えなければ雪や凍結によって走行できないため、車1台に対し夏冬あわせて8本のタイヤが必要です。
そのため、駐車場にはタイヤを保管する場所の確保はもちろん、タイヤを交換するスペースも確保しておくと良いでしょう。
家のベランダや玄関にストックを置いておくという方法もありますが、思った以上に面積をとって見た目もよくなく、空間も狭くなってしまうので、あまりおすすめはできません。
保管状態によってはタイヤの劣化にもつながってしまいます。北海道ではタイヤ交換のサービスを提供しているカー用品店・ディーラーが多くあります。
また、ガソリンスタンドではタイヤ交換とタイヤの預かり、保管がセットになったサービスもあるため、近くに店舗がある場合は必ずしもスペースが必要というわけではありません。
しかし、2台分となれば高額になるため、自宅のガレージで収納・履き替えができれば費用を抑えられます。
北海道版・駐車場付き新築の事例集
北海道の駐車場の施工事例を見ていきましょう。
趣味の道具の置き場としても活用
自宅内にL字スケルトン階段を採用したM様。
「階段下に収納」といった定番の形ではないため、自宅内の収納スペースが少なくなってしまいました。
その分、駐車場にはバイク2台を駐輪するスペース+@を設け、趣味のキャンプ道具や釣り道具、工具などを収納できるようにしています。
スケルトン階段にすることで、子ども達の遊べる場所やおもちゃ置き場ができたと満足されています。
※参照:「紆余曲折を経て完成した39歳(現41歳)フリーカメラマンの住まい」
駐車場をセカンドリビングに
自宅に薪ストーブを導入したT様。駐車場はセカンドリビングとして活用されています。
天候に左右されずBBQ等を楽しめる工夫がされており、プロジェクターを使用して大画面でスポーツ観戦を楽しむことも。
豊栄建設のガレージ付き住宅
上記のように、駐車場は車を停める以外にも様々な利用方法が可能です。
札幌市の注文住宅施工棟数No.1※の豊栄建設では、オープンガレージはもちろんのこと、天気の影響を受けないインナーガレージの住宅を設計建築するノウハウを備えています。
また、十分なスペースを確保できない土地では、シャッターがないハーフガレージなどお客様のご要望に沿った建設も可能。
現在(2022.11)はインナーガレージの住宅を含め、札幌市で5ヶ所、苫小牧市で2ヶ所のモデルハウスを見学可能です。
お気軽に家づくりを体感しにお越しください。