ハウスメーカーと工務店の違いとは?どちらに注文住宅を依頼すべき?

ハウスメーカーと工務店の違い

建設コストによる違い

ハウスメーカーと工務店で同じ条件の家を建てる場合、工務店のほうが建築コストを抑えられる傾向にあります。
ハウスメーカーは広告宣伝を広いエリアに向けて行っており、展示場の拠点数も多いことから、広告・運営費のコストをまかなうために建築コストが高くなります。
対して工務店は地域に根ざした経営をしているため、広告を展開しているエリアは小規模で、展示場があったとしても拠点数は多くありません。また、下請け業者に依頼せずに自社で施工を一貫している工務店も多く、仲介手数料をはじめとした諸経費がかかりにくいため、工務店のほうが建築コストを抑えられるのです。住宅そのものだけでなく、家具や家電などにもこだわるのであれば工務店に依頼することで予算に余裕を持たせられます。
住宅は建設時だけでなく、住み始めてからもメンテナンスや税金などで支出が発生するため、維持費も考慮したうえで依頼先を選びましょう。

施工エリアによる違い

施工エリアの広さは工務店よりもハウスメーカーが勝ります。
ハウスメーカーは自社ブランドを全国規模で展開しているため、北は北海道から南は沖縄までどこにでも注文住宅の建築ができる企業がほとんど。また、ハウスメーカーの多くは複数のモデルハウスを運営しているため、実際にどんな住宅を建てられるのかを確認したうえで決められます。
施工エリアは限定されますが、住宅を建てる土地が決まっているなら工務店に強みがあります。工務店は地域密着型のビジネスを展開しているケースが多く、豊富な地域情報を持っています。そのエリアに特化した実績と経験をもとに、家づくりをサポートしてくれるでしょう。

工期の長さによる違い

ハウスメーカーは工期が短く、工務店は工期が長くなる傾向にあります。
ハウスメーカーは自社工場を持っているため、スムーズに安定した資材の調達が可能。また、設計から施工まで一連の流れが効率化されているため短期間で住宅を完成させられます。
対して工務店は設計から資材の手配や加工、施工まで現場で一から行うケースが多く、ハウスメーカーのように施工の流れがシステム化されていないケースがほとんど。住宅の規模やプランにもよりますが、規模が大きく設計が複雑になるほど工程が増え、その分工期も伸びてしまいます。
家づくりに時間をかけられる方なら問題ないのですが、「いつまでに完成させたい」といった時間に制約がある方は、できるだけ早めに依頼をするようにしましょう。

施工の技術力による違い

「安定した技術力を提供できる」という点では、工務店よりもハウスメーカーのほうが施工の技術力は高いといえます。
ハウスメーカーの家づくりは、自社工場で規格にそった建築資材の加工が済んでおり、品質が均一化された資材を組み立てながら建築を進めます。そのため、職人の技術力に大きく左右されず、常に一定の品質を保った建築資材での施行が可能です。
対する工務店は、資材の加工からすべて現場で行うのですが、担当する職人の腕次第で建築資材の品質が左右されてしまうため完成度の差が大きい傾向にあります。
工務店に依頼する際には、ハウスメーカーに依頼する時よりも口コミや評判の下調べに力を入れるほうが良いでしょう。

プランの自由度による違い

ハウスメーカーと比べて工務店のほうがプランの自由度が高い傾向にあります。
工務店で建てる注文住宅はゼロから設計プランを考えられるため、どんな設備を導入したいか、使いたい建材は何かといった理想を伝えながらプランを組み立てられます。「個性的なデザインにしたい」「こだわりを詰め込んだ住宅にしたい」といった理想の追及が可能。また、自由度が高いぶん変形地や狭小地、傾斜地といった設計がしづらい土地に合わせた家づくりでも満足度の高い住宅を実現できるでしょう。
対してハウスメーカーの場合は、用意されたプランをベースに設計を練るのが一般的。提示された規格以外の要望を叶えて貰うとすると、費用が割高になってしまいます。
強いこだわりがなかったり住宅設備の知識がなかったりする方であれば、ある程度選択肢が決まっているハウスメーカーと相性が良いでしょう。しかし、規格が決まっているため変形地や狭小地などの土地の設計は苦手なメーカもあります。土地の形状による制限を受ける可能性も踏まえて依頼する業者を選びましょう。

アフターメンテナンスによる違い

ハウスメーカーのほうが工務店よりもアフターメンテナンスが手厚い傾向にあります。
全国展開している事業基盤を活かし、数十年に渡る長期保証や定期点検、24時間365日の問い合わせに対応しているハウスメーカーもあり、サポートの範囲の広さや期間が魅力です。
ただし、ハウスメーカーでは営業と施工、アフターサポートなどの担当者が異なることがほとんど。担当者が入れ替わるのが苦手で一貫して同じ人に担当して欲しい人とは相性が悪いといえます。
対する工務店のアフターメンテナンスの内容は、会社によって大きく異なります。サポート面を期待するならば、定期メンテナンスを実施しており長期保証に対応しているかどうか、入念な下調べが大切。工務店はひとりの担当者が営業からアフターサポートまで対応してくれる傾向にあるため、長くマイホームの相談をしたい方は工務店を選ぶと良いでしょう。

倒産のリスクによる違い

工務店と比べて、ハウスメーカーのほうが倒産リスクは低いといえます。
全国規模で展開しているハウスメーカーはその分顧客を抱えているため、経営基盤は安定しやすく、前触れもなく倒産する可能性は低いでしょう。対して工務店はハウスメーカーと比べると抱えている顧客が少なく、経営規模は小さい傾向にあります。そのため、倒産のリスクとしては高いといえます。
しかし、ハウスメーカーだからといって倒産のリスクはゼロではありません。長期的なサポートを希望するのであれば、ハウスメーカー・工務店に限らず公式サイトの施工実績や業績を確認し、「ここなら大丈夫」と思える会社に依頼するようにしましょう。

依頼する業者は理想のマイホーム次第

安心感を重視する方はハウスメーカーがおすすめ

安心感を求めている方には、建築資材や施工レベルを常に一定の品質で提供しておりブランド力・ネームバリューのあるハウスメーカーがおすすめ。事業基盤の安定性の高さを持ち合わせているため、住宅の品質だけでなく長期的なアフターメンテナンスも期待できます。
注文住宅を建てる人の多くは家づくりの初心者です。ある程度設計プランが決まっているハウスメーカーのほうが設計時の見落としが少なく、住宅完成後に後悔しづらいといえます。自由度の少なさがメリットになり、住み心地の良い住宅につながるわけです。
建築コストは高くなる傾向にありますので、予算に余裕があってブランド力や安心感を求める方にはハウスメーカーが合っているといえるでしょう。

こだわりの家づくりをしたい方は工務店がおすすめ

注文住宅に対する理想が強く、こだわりの住宅を目指している方は工務店に依頼するのがおすすめです。ゼロから設計プランを練ることができる柔軟性があるため、住宅の隅々まで自身のこだわりを詰め込めます。工務店は地域に特化して施工を行っているため、その地域ならでは気候や特性の観点からのアドバイスも期待できるでしょう。
また、ハウスメーカーと比べて建築コストを抑えられるのも工務店に依頼する大きなメリット。余った予算を新しい家具の購入や今後のメンテナンス費用に充てられます。
アフターメンテナンスや施工技術に関しては工務店によりバラツキがあるため、サポートに関する下調べは必須です。理想の注文住宅を叶えるためにも、親身に相談に乗ってくれて長期的によい関係が築ける工務店を選ぶようにしましょう。

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