北海道の新築にエアコンは必要?
北海道の新築にエアコン設置が必要な理由
近年では北海道でも真夏日や猛暑日を記録し、冷房がなければ熱中症の危険性が出てきたことから、エアコンの普及率が上昇しています。
温暖化やヒートアイランドの影響
北海道は夏場の日中平均気温が27度前後と過ごしやすいイメージがありますが、2021年には札幌市の最高気温が35.1度を記録するなど、昨今は猛暑日が珍しくない地域となりました。
夜になっても湿度や気温が下がらず熱帯夜となる日が増えたため、エアコンを設置する家庭が増えています。
10年ほど前の北海道のエアコンの普及率は18%だったのに対し、2021年のエアコン普及率は40%まで上昇し、エアコンを設置する家庭が増加傾向です。
※参照:ウェザーニュース「連日35℃超え猛暑の北海道 しかしクーラー保有率は約4割」(調査期間:2021年7月27日~29日/対象:ウェザーニュースアプリ利用者10,939人)
令和2年は約1,000人だった北海道の熱中症患者は、令和3年では約2,000人と2倍以上に増加。
健康面でもエアコンの必要性が高まっています。 長期的には今後更に気温上昇が予想されるため、北海道でもエアコンの設置は必須になると言えるでしょう。
※参照:総務省「令和3年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況」(令和3年10月29日 消防庁より)
寒冷地仕様のエアコン性能が向上
寒冷地仕様のエアコンが発売される以前は、雪による室外機の故障やマイナス気温による排水管の凍結・ヒーターのパワー不足により冬はエアコンが使えませんでした。
寒冷地仕様のエアコンは、マイナス気温や雪に対応できるよう排水の凍結防止機能や熱源のパワー向上などが備わり、冬季間の北海道でもエアコンの運転が可能に。
ストーブなどの暖房器具が主流だった北海道ですが、灯油・ガス料金の高騰に伴い空気を循環して部屋を暖められるエアコンを暖房として使う家庭が増えています。
家電量販店で冷暖房対応のエアコンの展示が増えてきていることからも、需要が高まっているとことが伺えます。
他の暖房機器と併用することで省エネ効果も
エアコンは立ち上がりに多くの電気を消費するため、1日中つけっぱなしにしておいた方が電気代を抑えられます。
1日の中で冷え込みが強い朝方と夜間はストーブやこたつなど他の暖房機器で補えば、コストを削減できて省エネにも効果的。
メインをエアコン、サブとしてストーブやパネルヒーターなどの暖房機器を活用すると良いでしょう。
就寝時や外出時は消した方が若干電気代を安く抑えられますが、北海道は朝方には室温が1桁以下になってしまうことも多いため、タイマーのセットが必須。
室内の温度を下げたままにしてしまうと水道凍結の可能性が高くなるため、夜間は設定温度を下げて運転しておくほうが良いでしょう。
北海道の新築住宅向け・エアコン設置の注意点
新築住宅を建てる際は、エアコンを取り付ける前提で設計をしてもらうようにしましょう。
エアコンを取り付ける間取りや方角によって運転効率は変動します。
畳数によって本体価格が異なってくることからも、エアコンの取り付けについて施工業者と相談しておくと良いでしょう。
寒冷地仕様のエアコンを選ぶ
寒冷地仕様のエアコンは冬季間の平均気温0度以下かつ最低気温−20度でも稼働が可能で、室内を十分に暖められる仕様となっています。
通常のエアコンとの違いは、気温の他に「室外機がパワフル」「熱交換器の霜取り運転」といった点。
室外機は外気の熱を取り込んでエアコンに送る仕組みですが、寒冷地仕様の場合は北海道の低い気温から回収できた熱をコンプレッサーで圧縮し温度を上昇させて送風しています。
そのため、通常の室外機よりパワーがあるのです。
霜取り運転とは、エアコンに熱を送らず熱交換器についてしまう霜を溶かす運転のこと。
これまでのエアコンは室外機の熱交換器が停止して霜取り運転を行っていたため、エアコンから冷たい風が出たり、無理に暖房を続けて燃費が悪くなったりしていました。
しかし最近では霜を取りながら暖房の併用も可能になり、エアコンをメインの暖房機器として使用できるようになっています。
寒冷地仕様は雪が室外機内に溜まらない工夫もされているため、北海道にお住まいで暖房にエアコンの使用を検討しているなら寒冷地仕様を選びましょう。
費用や間取りから選ぶ
エアコンの本体価格が反映されるポイントは、対応畳数と冷暖房以外の機能の2点にあります。
例えば、DAIKINの「スゴ暖」は6畳用がメーカー希望価格330,000円、10畳が希望価格396,000円と設定されており、他のメーカーと比べて5~10万円ほど差があります。
また、日立の「白くまくん」は自動フィルター掃除機能があり、こちらも他の機種と比べて金額が高めです。
エアコンは取り付ける部屋の畳数によって搭載しているパワーが異なるため、広い部屋であるほど価格は高くなり、200Vのコンセントを必要とする機種が増えます。 ただし、取り付ける部屋の畳数を下回るエアコンを取り付けたとしても、間取りと方角によっては効率的に循環して十分に冷暖房を行えることもあるため、設計の段階で検討しておくと良いでしょう。
本体以外にかかる費用を把握しておく
寒冷地仕様のエアコンの本体価格は20~30万円程度ですが、それ以外に設置費用・室外機の設置代がかかります。
価格は年間で変動するため、本体価格はもちろん、設置費用が安い時期に購入しましょう。
エアコンの本体価格が下がる季節は夏場が過ぎる9~10月、新機種が発売されて型落ちの値段が下がる4~6月を狙うと良いでしょう。
冬になるとエアコンの需要が高くなり、在庫切れ・取り付け業者が見つからないといった事態が想定されるため、事前にホームメーカーを仲介して予約や買い付けをしておくとスムーズに取り付けられます。
新築設計時に設置場所を決めておく
設計時にエアコンを部屋のどこにつけるか決めておくと窓やコンセントの位置を調節でき、室内のデザインを崩すことなく運転効率の良い取り付けが可能です。
将来的な取り付けを想定せず設計した場合、取り付け費用が10万円ほどかかる他、配管用の穴や電気配線の工事のための追加費用がかかる可能性もあります。
新築時点ではエアコンを設置しない場合も、設計時に配管用の穴、コンセントの位置、エアコンを取り付けるスペースは確保しておくとよいでしょう。
また、エアコンと室外機は離れるほど運転効率の低下や外観を崩す原因になってしまうため、近くに設置できるよう検討しておきましょう。
エアコン設置のメリットとデメリット
エアコンには「冷暖房が1台でできる」「火災の心配が少ない」「空気清浄機付き」などの様々なメリットがあります。
エアコンで暖房を補えるとストーブを使わずに済むため、小さいお子さんが火傷をする心配がありません。
また、ストーブを使い出す初冬には劣化や手入れ不良による火災が発生しやすいですが、エアコンは火を使わないため火災のリスクを最小限に抑えられます。
一方で、エアコンには「空気が乾燥しやすい」「足元が暖まりにくい」というデメリットがあります。
エアコンは部屋の上部に取り付け対流を利用して部屋全体を暖める仕組みですが、足元に冷気が溜まるコールドドラフト現象によって室内に温度差が生まれやすくなります。
また、エアコンの暖房によって空気中の温度が上がって飽和水蒸気量が増加し、湿度が下がって乾燥しやすくなることも。
これらのデメリットはサーキュレーターと加湿器で対策できるので、用意しておくと良いでしょう。
エアコンの省エネ効果を上げる方法
エアコンを導入するとして、心配なのが電気代です。
総務省統計局の調査では、2018年の北海道の電気代平均額は月額10,622円。年々高騰しているため、省エネ運転を心がけたいところです。
運転効率を上げることでエアコンによる電気代が抑えられ、快適に冬を過ごすことができます。
こまめな掃除で効率を上げる
エアコンのフィルターは、室外機から送られてきた空気に含まれるゴミを取り除くものですが、フィルターが汚れていると室内へ正常に送風できず、設定温度にするための稼働が増加します。
汚れたフィルターのままでは運転効率が下がり、電気代が5〜10%ムダになるというデータがあるため、2週間に1度程度の掃除を心がけましょう。
最近ではフィルターのゴミを凍結・解凍して取り除く機能がついた機種もあるため、掃除が苦手な方は検討してみてください。
室外機の運転効率を上げる
室外機の運転効率を高めるには、室外機の取り付け位置や周辺の整理も重要。
室外機に直射日光が当たったりファンや吹き出し口付近に物があったりすると、排熱や排気が滞り、運転効率が下がってしまいます。
雑草や風で飛んできたゴミなどによっても運転効率が下がってしまうため、室外機は日光が当たりにくい方角で、地上から1メートルほど上がった位置に取り付けるのがおすすめです。
砂や雪など細かなものが室外機内に入ってしまう場合もあるため、定期的にカバーを外し、ブロアーなどでゴミを飛ばして運転効率を高い状態で保ちましょう。
運転を安定させる
エアコンは立ち上げ時や強く稼働している時、もっとも電力消費が高くなるものです。
風量や風向きを調整して、室内温度を一定に保ちましょう。
エアコンをつけっぱなしにするのと暖まったら消す(30分おき程度)のでは、電気代は後者のほうが25%程度高くなると言われています。
室内温度は気温に左右されやすいので、夏は朝方と夜間の運転を控えめにして日中は強めに、冬は朝方と夜間を強めにして日中は控えめに運転すれば稼働時間を少なくできます。
風向きは部屋全体を循環できる設定にすると良いでしょう。
他の暖房器具を併用する
エアコンは灯油ストーブやガスファンヒーターのように一定エリアを素早く暖められるのが特徴で、パネルヒーターや床暖房はファンによる風が起こらず、優しく部屋を暖めます。
熱は上にいく対流という現象により足元が暖まりにくいため、床暖房や足元に設置できるパネルヒーターとの併用により、部屋中の温度差を解消できます。
また、エアコンは設置されている部屋しか暖められないため、玄関や洗面所は冷えたままになってしまいます。
建物内で温度差が大きいとヒートショックによる目眩や痒みなどの健康被害が起こりやすくなるため、エアコンが設置されていない場所は他の暖房器具を併用し、室温を一定に保ちましょう。
「エアコン設置+第一種換気」で快適な北海道の新築住宅を建てよう
エアコンの普及が進む北海道では、エアコンの性能はもちろん、省エネのための住宅の断熱性能や換気についても注目したいところです。
快適な生活のためにおすすめなのが「第一種換気」。
機械式のファンを利用した吸排気システムは、エアコンとあわせて利用すると省エネ効果を得られ、住宅内の温度差も改善できます。
札幌で注文住宅施工棟数NO.1※の住宅会社『豊栄建設』では、「第一種換気」を標準装備したゼレクト住宅をご提供しています。
ゼレクト住宅は、自らエネルギーを作り出すZEH(ゼッチ)基準で作る家。
高断熱で省エネ性能の高い設備により、安定した室温を確保しながら月々の光熱費をカット。
更に太陽光発電システムで創ったエネルギーを売って利益が出ることもあります。
『最大温度交換効率92%』を実現したゼレクト住宅は、モデルハウスで体験可能。札幌市近郊にお住まいの方は、札幌市・苫小牧市にてオープンハウスを実施していますので、ぜひ一度お越しください。
※豊栄建設株式会社とグループ企業であるロゴスホームの戸建住宅の実績(2021年1月~12月)/住宅データバンク調べ