北海道の注文住宅は耐震等級がどれくらいあれば安心?

災害の多い日本では、地震が発生した際の倒壊・損傷を防ぐため、建物には耐震工事が行われています。

阪神淡路大震災や熊本地震などの大型の地震により住宅などが倒壊した経験から、国は建物のサイクル(建て替え)よりも長く大切に使うことを目的として「長期優良住宅」という制度を設けています。

耐震等級とは

耐震等級とは、建物の強さを示した基準のこと。

等級は1~3まであり、耐震等級1は数百年に一度発生する地震(震度6強~7程度)に対して倒壊・崩壊せず、数十年に一度発生する地震(震度5強程度)に対して損傷しない強度であるとされています。

また、耐震等級2は等級1の1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐久力を持つことと定められています。耐震等級と類似した基準に、耐震基準があります。

耐震基準は震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れるとされている基準で、建物を建築する際は基準を満たすことが義務づけられています。

そのため、耐震等級より低い最低限の耐震性であると言えるでしょう。

胆振東部地震に学ぶ、北海道の住宅に必要な耐震等級

胆振東部地震は、胆振地方中東部を震源地とし、最大震度7を記録した北海道内最大級の地震です。

人的被害が死者42人・負傷者762人、建物被害が全壊462棟・半壊1,570棟、一部破損が12,600棟と甚大な被害がありました。

建物が全壊または半壊した原因の多くは前日に通過した台風の影響も強く、土砂崩れによる倒壊が大多数。震度6強を記録した鵡川町では、山岳から離れた平地でも古くなった木造住宅の倒壊や傾斜が10件以上と報告されています。

震源地から離れた札幌市でも、外壁が剥がれたり建物が傾斜したりする被害がありました。

今後の地震に備えるなら、余震で複数回の揺れが来た場合は耐えられなくなる可能性も考慮し、耐震等級1(最低の基準)ではなく2や3も視野に入れるのが得策です。

※参考:内閣府「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」(平成31年1月28日)

国立研究開発法人建築研究所 国土交通省国土技術政策総合研究所 北海道立総合研究機構建築研究本部「平成30年北海道胆振東部地震による建築物の被害に関する調査結果」(平成30年10月2日)

長期優良住宅認定制度と耐震等級の関係性

長期に渡って良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅を指す「長期優良住宅」。

この長期優良住宅の認定を受けるためには、以下の基準をすべてクリアしている必要があります。

1. 長期で使用するための構造及び設備を整えている
2. 居住環境などの配慮ができている
3. 一定面積以上の住戸面積ある
4. 維持保全の期間方法を定めている
5. 自然災害への配慮ができている

このうち5に含まれるのが耐震性で、基準は以下のようになっています。

– 耐震等級(倒壊等防止)「等級2」(階数が2以下の木造建築物等で壁量計算による場合にあっては「等級3」(※1)
– 耐震等級(倒壊等防止)「等級1」かつ、安全限界時の層間変形を1/100(木造の場合1/40)以下
– 耐震等級(倒壊等防止)「等級1」かつ、各階の張り間方向及びけた行方向について所定の基準(※2)に適合するもの(鉄筋コンクリート造等の場合に限る)
– 品確法に定める免震建築物

※1…屋根へPV等を載せた場合は、仕様に関わらず重い屋根の壁量基準が適用されます。
※2…各階の張り間方向及びけた行方向について、それぞれDsが鉄筋コンクリート造の場合は0.3(鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は0.25)かつ各階の応答変位の当該高さに対する割合が1/75 以下であること又はDsが鉄筋コンクリート造の場合は0.55(鉄骨鉄筋コンクリート造の場合は0.5)であること

長期優良住宅の認定を受けるには、着工前に「住宅性能表示制度」が明示している長期優良住宅の基準(耐震等級の他、劣化対策等級など)に則っていることを示す「住宅性能評価書」等の書類を提出して申請することが必要となります。

住宅性能表示制度とは、平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づく任意の制度。

建物の品質について第三者である住宅性能評価機関が評価し、その結果は「等級」などで表示されるため、専門知識のない消費者にも住まいの性能が分かりやすくなっています。

長期優良住宅の認定を受ければ最大500万円の贈与税が控除される他、所得税・登録免許税・不動産取得税・固定資産税の減額、免税期間の延長、地震保険料の割引といった措置が受けられます。

地震に強い家を建てたい方は長期優良住宅の認定も視野に入れてみるとよいでしょう。

※参照:一般社団法人 住宅性能評価・表示協会「「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の長期優良住宅認定制度の概要について」(令和4(2022)年10月1日現在で施行されている法令等に基づく)

地震が起きても安心な北海道の家づくり

本州では阪神淡路大震災、九州では熊本地震、北海道では2018年に胆振東部地震が発生するなど、日本各地どこで地震が起きてもおかしくない状況です。

熊本地震では耐震等級2の住宅が倒壊した事例もあるため、住まいの安全を守るためには等級を妄信するのではなく、以下のような点に注意しておきましょう。

地震に備える設備の導入

地震が起きればインフラが大きく影響を受けます。

胆振東部地震では様々な条件が重なり、道内すべてが停電するブラックアウトが発生しました。

他にも各地で断水するなど、日常生活の維持も困難な状況が発生。こうした被害を教訓に、万が一に備えて設備を整えておきましょう。

非常食や水はもちろん、太陽光を利用して発電する太陽光パネル・大容量バッテリー・電気を必要とせず暖房可能で熱を利用してお湯を沸かすこともできる薪ストーブ・水を貯めておけるタンクなどがあると安心です。

耐震工事で耐震性を高める

耐震工事では、柱や梁をビスではなくテンションボルトで固定し強度を上げます。

その他、揺れによってかかる力を分散させながら地盤へ逃す工法や基礎にアンカーボルトを打ち込み建物の揺れを地面に逃す工法など、様々な工法から選択が可能です。

新築に施工する耐震工事の相場は100万円~200万円程度。

耐震工事を積極的に行った方が良い家の特徴として、吹き抜けがある・1階の壁面積が少ない・地盤が柔らかいなどが挙げられますので、こうした条件に当てはまる方は前向きに検討しましょう。

家具などの転倒防止対策を行う

胆振東部地震で負傷した人の中には、揺れによって倒れた家具で怪我をした人も多数存在しました。

強い揺れの場合その場から動けなくなるため、退避ではなく原因の解消を考えましょう。例えば、タンスやキッチン棚には天井と固定する突っ張り棒やワイヤーを取り付けて倒れないようにし、棚の蓋が開かないようロックをかけるといいでしょう。

また、低い家具で揃えると家具が倒れかかってくる危険性が下がるため安心です。

土地購入前に北海道の地震防災マップを確認する

各自治体では、地震などによる自然災害時に被害予想を示したハザードマップを作成しています。

札幌市が作成した第4次地震被害を想定した地震防災マップを見てみると、札幌駅がある中央区は建物の倒壊・液状化現象の可能性は低いと示されています。

胆振東部地震で広範囲の液状化現象が発生した清田区や東区は地震が発生した際に強く揺れやすく、液状化現象が起きやすい地域であるため、建築するのであれば十分な対策が必要です。

土地を決める前に購入したい土地のハザードマップや地震防災マップを確認しておき、購入後は被害を最小限にとどめられるように対策しましょう。

※参照:札幌市「地震防災マップ」

耐震性能の調べ方

北海道の自治体では、無料で耐震診断を行っています。

現地調査は行わず、住宅の状況や図面をもとに診断してくれるため、難しい手続きは必要ありません。

また、日本建築防災協会のホームページには自分でできる簡易耐震診断が載っていますので、興味がある方は自己診断してみると良いでしょう。

耐震診断を行うと、耐震基準適合証明書が発行されます。耐震基準適合証明書とは、建物が耐震基準を満たしているかを証明する書面のこと。

耐震基準適合証明書があれば、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)が受けられます。この証明書は、現地調査日から2年間有効です。

耐震性能が高い住宅の種類

耐震性能を有した住宅は、耐震方法によって耐震住宅・免震住宅・制震住宅の3つに分けられます。

耐震住宅

耐震住宅とは倒壊や破損に焦点を当てた耐震構造であり、建物の壁や柱を強化し地震の揺れでも壊れず耐えられる住宅のこと。

揺れを吸収するといった機能はないため、揺れをダイレクトに受けてしまうというデメリットはありますが、耐震等級1以上に該当する耐震性があります。

制震住宅

制震住宅とは、建物と基礎の間にダンパーやパネルを設置し、横揺れを吸収する構造のこと。一軒家の場合は1階の壁の一部に制震装置を設置し、2階の揺れを大幅に減らします。

制震住宅は耐震住宅より高価になりますが、免震住宅よりリーズナブルな施工が可能です。

免震住宅

免震住宅とは、建物と基礎の間にゴムやボール状の柔らかい素材を挟むことにより揺れを吸収する構造のこと。

3つの中でいちばん耐震性能が高く、その分施工費用も高価。大型の病院など重要な施設に採用されています。耐震性能の高さを比べると「免震住宅>制震住宅>耐震住宅」となります。

北海道で耐震等級の高い住宅を建てるなら

北海道では胆振東部地震を受け、住宅の耐震性能向上に力を入れています。

札幌市の注文住宅施工棟数NO.1※の豊栄建設では、柱と梁の接合強度が従来の工法の2倍となるメタルジョイント工法を採用。

接合箇所の強度と耐久性は震度7の地震にも耐えられるほどです。

この他、工場で管理することによりたわみや厚みなど細かなバラ付きをなくした高品質の木材は、無垢材と比べると1.5倍の強度を誇り、耐久性を向上させる根太レス(ネダレス)工法を採用。

こうした工夫を凝らした豊栄建設の家には、最大20年の建築保証があります。

ショールーム「ハウジングサッポロ」では、無料で住まいの情報収集やご相談受付を行っています。北海道で地震に強い家をご希望なら、ぜひ弊社にご相談ください。

★豊栄建設のショールームを詳しく見る>>

※豊栄建設株式会社とグループ企業であるロゴスホームの戸建住宅の実績(2021年1月~12月)/住宅データバンク調べ

CATEGORY
TAG
一覧