冬の北海道、エアコンの暖房にどれぐらいの電気代が掛かるの?

北海道の冬の電気代とエアコン暖房の関係

電気代の計算方法

エアコンやストーブなどに掛かる電気代は、電力料金の目安単価と使用時間から計算できます。

エアコンやストーブなどに掛かる電気代は、電力料金の目安単価と使用時間から計算できます。

・電気代の計算式
1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間×1時間当たりの電気料金(円/kWh)

計算する際は、家電に記載された消費電力はW(ワット)で表示されるケースが多い点に注意しましょう。W(ワット)で記載されている場合にはkW(キロワット)に直す必要があり、kWの値はWを1,000で割ることで求められます。
例として、1,000Wの製品を2時間、料金単価27円/kWhで使用した場合の電気代は、下記の式で求められます。

例)消費電力1,000Wのエアコンを2時間使用した場合の電気代
1,000(W)÷1,000 = 1(kW)
1(kW)×2(時間)×27(円/kWh) = 54円(電気代)

1時間あたりの電気料金(27円/kWh)を求めるのに使用した計算式は、全国家庭電気製品公正取引協議会が発表している「電力料金の目安単価」です。
実際の電気料金はお住まいの地域や利用している電力会社およびプラン内容によって変動します。

※参照:経済産業省「電力料金の目安単価」の改定に関する件
https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/shoene_shinene/sho_energy/kori_jigyosha/pdf/002_b05_00.pdf

・消費電力の確認方法
家電の消費電力は、本体に貼り付けされているシールや取扱説明書、カタログなどに「定格消費電力」として記載されています。
定格消費電力とは、最大限に電力を消費した場合の電力量のこと。実際の消費電力は使用状況によって異なるため、正確な電気代を知りたい場合は、消費電力測定器を使用するのがよいでしょう。

エアコン暖房の「つけっぱなし」と「こまめなオンオフ」はどっちがお得?

空調機器メーカーのダイキンが行なった実験をもとに、エアコン暖房は「つけっぱなし」と「こまめなオンオフ」どちらの電気代が安くなるのかを解説します。

・つけっぱなし VS 30分間隔でこまめにオンオフ
下記は「24時間つけっぱなし」と「30分間隔でこまめにオンオフを繰り返す(エアコン稼働が12時間)」それぞれのケースで1日の消費電力と電気代を比較した表です。

時間帯 つけっぱなし 30分間隔でこまめなオンオフ
消費電力量 電気代換算 消費電力量 電気代換算
23:00~06:00 5.0kWh 135円 8.5kWh 230円
06:00~18:00 7.8kWh 211円 11.2kWh 302円
18:00~23:00 3.3kWh 89円 4.2kWh 113円
1日の合計 16.1kWh 435円 23.9kWh 645円
1ヶ月の合計(30日) 483kWh 13,050円 717kWh 19,350円

※参照: 冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05/page02

いずれの時間帯でも、「こまめなオンオフ」よりも「つけっぱなし」にした方が電気代は安くなりました。
エアコンが大きく電力を消費するのは、下がった室温を設定した温度まで暖める時です。
そのため、30分間隔で1日に十数回以上のオンオフを行なうと、一定の室温で維持されている状態と比べて多くの電力が必要になります。
総合的な電力を抑えるためには、暖房のオンオフの回数を減らして利用するとよいでしょう。

・つけっぱなし VS 1日の予定にあわせて外出時は消す
下記は1日の消費電力と電気代を、「24時間つけっぱなし」と「外出のタイミングで暖房をオフにする(エアコン稼働が11時間)」2つのケースで比較した表です。

時間帯 つけっぱなし 外出時にオフ
消費電力量 電気代換算 消費電力量 電気代換算
23:00~06:00 3.5kWh 95円 0.3kWh 8円
06:00~18:00 5.7kWh 154円 8.9kWh 240円
18:00~23:00 3.4kWh 92円 2.4kWh 65円
1日の合計 12.6kWh 341円 11.6kWh 313円
1ヶ月の合計(30日) 378kWh 10,230円 348kWh 9,390円

※参照: 冬のエアコンつけっぱなし検証 | 空気のお悩み調査隊がゆく | ダイキン工業
https://www.daikin.co.jp/air/life/issue/mission05/page02

外出時にオフにするほうが1日あたり30円程度電気代は安い結果になりました。
しかし、この検証は最高気温が7.8度の環境下で行われており、最低気温も4度程度。
暖房は室温と外気温の差が大きいほど電気の消費量も増加するものですので、氷点下の日が多い真冬の北海道では、外出時に暖房を切ると検証結果以上に電気代が掛かる可能性があります。
検証では子どもの送迎や買い物など、外出時間が1時間未満であってもオフにしており、1日の外出回数は合計6回程度となっていました。
オフにするのは仕事や学校など数時間以上家を空ける時だけにして、短時間の外出であればつけっぱなしにするのがよいでしょう。

北海道でエアコン暖房を使う際の節約方法

室外機まわりに障害物を置かない

室外機の周辺にものがあると空気の流れが悪くなるため、排熱を行うためにファンの回転数が上がり、余分な負荷・電力が掛かってしまいます。
室外機の周辺にものを置いたり、ファンやパイプにゴミや虫が入ったりしないように注意してください。
冬場は室外機が雪に埋もれて空気の吸い込み口や吹き出し口を塞ぐことがあるため、こまめな除雪も必要です。
室外機が排熱しやすいように環境整備を行いましょう。

エアコンのフィルターをこまめに掃除する

フィルターにホコリが詰まると性能が低下し、部屋を暖めるのに余分な電力が掛かってしまいます。
1年間掃除を怠った場合、消費電力が約25%もアップしてしまう可能性も。
ホコリを詰まらせないためにも、エアコンのフィルターは2週間に1度を目安に掃除しましょう。

※参照:エアコンのしくみと電気代の関係 ~エアコンを快適に使いながら電気代を節約するための賢い使い方~ | 空気とくらし | 空気で答えを出す会社 | ダイキン工業株式会社
https://www.daikin.co.jp/air/life/mechanism

エアコンは自動運転を使用する

暖房の消費電力は、部屋を設定温度まで暖める際に大きくなります。
節電のつもりで風量を弱くすると室内への暖房の供給が低下してしまい、暖まるまでに時間が掛かって余計な電力が必要になってしまいます。
電気代を抑えるには、室内を一気に暖めた後に温度を維持する運転に切り替えるのがベター。
自動運転に設定すればエアコン側で最適な運転を判断するため、手動で風量を調整する必要もありません。

室内温度のムラを抑える

暖かい空気は上に溜まりやすい性質があるため、エアコン暖房では天井部分のみが暖まり、床の近くは冷えたままという状況が発生します。
足元を暖めようと必要以上にエアコンの温度を上げることで、電気代が増加する可能性も。効率的に部屋を暖めるには、室内温度のムラを抑える工夫が大切です。
ムラを防ぐには、エアコンの風向きを水平ではなく、下向きに設定するのがおすすめ。
また、エアコンの対角線上にサーキュレーターを設置すれば部屋全体を効率的に暖められます。

窓の断熱性能を強化する

断熱材の入っている家の壁とは違い、窓のガラスは熱伝導率が高いため暖房で暖めた熱を外に逃がしてしまいます。
そのため、断熱シートや断熱ボードを窓ガラスに貼ったりカーテンで窓を覆ったりといった断熱性能を上げる工夫が大切。
これから新居の建築やリフォームを考えている場合は、二重窓や断熱ガラスなどを採用するとよいでしょう。

室温は20度を目安に調整

環境省では、暖房器具を使う時の室温は20度を推奨しています。
この推奨温度はエアコンの設定温度ではなく、あくまでも室温であることに注意しましょう。
20度を保つための設定温度は、エアコンの性能や家の断熱性、日当たりなどによって左右されます。
まずはエアコンを20度に設定して、部屋が温まらない場合に1度ずつ温度を上げて調整するとよいでしょう。

部屋の湿度を高めにする

冬にエアコン暖房を使用すると、部屋の乾燥を促します。
湿度が10%下がると体感温度は約1度下がるといわれており、体感温度が下がるとエアコンの設定温度を自然と上げてしまう悪循環が生まれる可能性も。
電気代を節約するためにも、乾燥対策が有効です。
冬の理想的な湿度は40~60%といわれているため、加湿器や部屋干しなどで部屋の湿度をコントロールしましょう。

北海道の冬に適したエアコン選びのポイント

部屋の広さを考える

エアコンの性能と部屋の広さにギャップがある場合、快適性が損なわれて消費電力が増加する恐れがあります。
ホームページやカタログでスペックを確認して適切なエアコンを選びましょう。
実際の部屋の広さよりも対応畳数がやや広いものを購入するのがおすすめです。
部屋の暖まりやすさは、広さ以外に住宅の断熱性や日当たりの良さなどにも影響されるもの。
設置する部屋が10畳なら12畳向けのエアコンを購入すれば、たとえ住宅環境に問題があった場合でも性能でカバーしてくれます。

省エネ性能を考える

冬の時期が長い北海道だからこそ、省エネ性能が高いモデルを選ぶことが大切です。
性能の高さをチェックするには、エアコンのAPF(Annual Performance Factor)の数値を確認しましょう。
APFはエアコンの省エネ性能を示す値で、この数値が大きいほど省エネ性能が高いことを意味します。
小売店で売られているエアコンには経済産業省が発行する「省エネラベル」がついており、省エネ基準の達成率とともにAPFを確認可能。
購入時にはこれらの情報を確認して、APFの数値が6以上のエアコンを選ぶとよいでしょう。

寒冷地仕様のエアコンを選ぶ

寒冷地仕様のエアコンは通常のエアコンと違い、室外機に搭載されているコンプレッサーのパワーが大きく、暖房能力が高いのが特徴です。
霜取り機能や凍結予防のヒーターもついているため、寒暖差のある時期でも凍結の心配がありません。
また、一般的なエアコンは外気温度がマイナス15度までしか稼働できないものが多い中、寒冷地仕様であればマイナス25度まで対応。真冬の寒いタイミングで動かなくなるリスクを回避できます。

CATEGORY
TAG
一覧