Vol.7 スケルトン襲来。
それは間取り打合せの1回目。8月2日のこと。
隣に座っていたリコ(俺の妻)の口から突然
「スケルトン階段にしたい」
という言葉が発せられた。
俺は、凍りつきました。
前触れはあったんです。
ちょっと時を戻して振り返りますと。
7月20日に豊栄さんに電話をし「この土地に家を建てたい」と話した際、この人に
部屋数はこれぐらい、バイクが3台あるのでガレージが欲しい…などの希望を伝え、続く7月26日の打合せの時には「あくまで、例えば、ですが」と間取り図を見せていただきました(vol.4 参照ください)。
その図面はこちらの希望に近かったものの。
家自体がかなりの大きさで値段も張っており(さすがにここまでは…)という規模だったので
延床(家の大きさ)をもっと小さくしてくださいと伝えして帰宅。
次の打合せに向けてリコと色々話し合ったり、こうしたいね、ああしたいね、という希望を書き出したりしてワクワクしていたのがvol.5。
クリックしていただくと、拡大しますので見てみてください。
「L字階段 スケルトン できる?」
と書いてあります。
書いてはあるけども!!!
「その希望は諦めた、予算のこともあるしこれは無理だったね」という
暗黙の了解が成立していると思っていたのだ!
そういう流れで迎えた8月2日に、冒頭の発言!
家づくりという壮大なプロジェクトに、夫婦二人でタッグ組んで、予算のことスケジュールのこと、色々あるけど、一緒に頑張ろうぜ!って時に。
リコは事前の打合せなしで
いきなり撃った。
ほんとびっくりした。
撃たれたのはこの人
前週お願いした通り延床を小さくし、それでもこちらの希望を目一杯入れ込んだ図面を、今まさに!説明しようとしている!そのときに、不意打ちですよ。
(スケルトンにしたら、その体積全部、階段にしか使えなくなる。階段下収納ぶっとんだぞ。その分どっかにシワ寄せが行く…しかもスケルトンて高いじゃ…なんでこんな大事なこと、勝手に言い出したんだ、なぜだなぜだ)
俺の脳内はこんな感じで、リコの発言にただただびっくりしていたのだけれど。
佐藤さん、百戦錬磨って言うか。
さすがと言うか。
「えー!延床小さくしたのにー?あはははは」
と笑って。
なんと、その翌週(8月9日)には「うまいこと収めておきましたよ~」と
新しい間取りを見せてくれた。
希望した延床の中に、L字のスケルトンがきちんとおさまってる。収納やその他のスペースがそれほど大きく削られてもいない。
ニコニコと指差しながら、「このようにしてですね。スケルトンばっちりです!」と。
残された課題はひとつ。
予算だ。
これひとつで100万オーバーのオプション…
青ざめていく俺の様子を察したのか、この人が
「スケルトンって、揺れるんですよね〜」と。
「朝とか急いでる時に階段駆け下りたりすると揺れるんですよー」と、助け舟を出してくれたのだけれど。
「揺れるんですか。そうですか。でもあたし雑誌とかで見て、ずっと憧れてたの!家を建てるならこの階段にしたいと思ってた!あ〜良かった!うまくおさまって」という、リコの満面の笑みを前に、その舟は泥舟と化し、あえなく沈没。
さあ。どうする。
次回は俺が巧みな話術と理路整然とした説明でリコを見事説得!その様子をお伝え…
…と、したいところですが
…スケルトン階段、採用しました!
他の会社はどうなのか、わかりませんが。
豊栄さんの場合、打合せをして変更があった部分は、次回の打ち合わせの時に「現時点の見積もりです」と、都度都度「いまの仕様だといくらの家になってるか」わかるように見積もりを出してくれます。
8月9日の打ち合わせの時に出されたそれは
スケルトン階段を採用したことで
一眼でわかるほど金額があがっていて
(これはヤバい)
(まだ間に合う、何とか諦めてもらわないと)
なんて思ったものです。
が。
結果、できなかった。説得なんか、できっこありませんでした。
あんな嬉しそうな顔みたら、なんも言えないっす。
なーんも言えませんでした。